ごあいさつ

「布あそび・糸遊び」遠藤きよ子

広大な自然と環境の中で生命が育まれ、四季に順応しつつ、折々に咲く花々・鳥や虫に自然の大きな力を感じ、喜びと楽しみを求め、自分の力の小ささと、どうにもならない焦りをどのように表現したら良いのかナーと思いながら、刺し子を始めて30余年になりました。

布はそのままでも充分に美しい。肌に触れる布の柔らかい優しさと自然に逆らうこと無く全てを自分の中に取り入れ昇華して、地元に残る原方刺し子(花ぞうきん刺し)と京柄と呼ばれているものと布合わせを取り入れながら作品にしました。

趣味の刺し子が私を助けて姑の介護(16年)も何のその、私自身も癌を克服し現在に至って居ります。苦しみの中にも楽しむ物が有ることは本当に良いものです。

刺し子に限らず自分を支えられる、癌にも打ち勝つ程の趣味を持つ事は大切なことだと思います。また、人との交流ができ、知らない世界に飛び出し「言葉」は通じなくとも、手元の針運びを見て頂くことで、中国、アメリカ、イタリア、ベルギー等々に楽しい思い出が沢山できましたし、理解と協力を惜しまない夫に支えられて、自宅に蔵ギャラリーと工房まで作ってしまいました。

私は弱い人間です。
でも、何かの力を借りれば表現できるこの素晴らしさは是非味わって欲しいですね。

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